ツナ缶雑記

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PCをRyzen 9 5900Xで組んだ話(電源の選択編)

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本シリーズのまとめはこちらにあります。

tsuna-can.hateblo.jp

今回で自作 PC のパーツ選定シリーズ最終回となります。 最後に電源ユニットの選択についてさらっと触れていきます。

前回の記事はこちらからどうぞ。

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消費電力を見積もる

電源を決めるうえで、最初に行わなければならないのは PC 全体の消費電力を見積もることだと思います。 ここまででパーツ構成が決まっているので、以下のようなツールを用いて、消費電力を見積もりましょう。

PC電源容量計算【2021年最新版】 | BTOパソコンミニ館

電源容量計算(電源電卓)電源の選び方|ドスパラ通販【公式】

そうすると、自分の PC の消費電力の推定値を計算することができます。 私の場合、合計使用量は最大で 450 W 程度であることがわかりました。

電源容量を見積もる

上記のサイトでは、電源容量の推奨値まで勝手に出してくれるのですが、これらのサイトはちょっと大きな値を出しすぎているように思います。 電源容量は、消費電力の 2 倍と計算するのが割と一般的かと思います。 私の場合は 900W ということになります、 しかし、それではさすがに多すぎます。 常時 100% の負荷を PC にかけ続けるわけではありません。 あまりにも大きな容量の電源を選んでしまうと、一番変換効率の良いゾーンを長く使うことができなくなってしまいます。 であるならば、最大の負荷がかかるような使い方をしたときは、変換効率の悪いゾーンで落ちない程度に働いていただいて、普段使いするときになるべくよい変換効率を得られるようにする、というのが基本戦略になります。

もう少しパーツ個別の消費電力に着目すると、いろいろわかることがあると思います。 例えば今回利用する Ryzen 9 5900X ですが、 TDP は 105 W と言いながら、ブーストがかかると 140 W くらいまで消費電力が上がるようです。 GPU についても同様に調べると、 RTX 3070 の最大消費電力は 220 W 程度、 OC している場合は 250 W 程度、となるようです。 最大負荷状態で動かしたとしても、 500 W まで消費することはなさそう、ということがわかります。 多少余裕を持ったとしても、 750 W あれば十分足りると考えました。 また 750 W にしておけば、あまり負荷のかかっていない状況でも、効率のよいゾーンで使ってくれそうです。

それなりに高性能な GPU を搭載しているのであれば、 PC 内で最も電力を食うのは GPU です。 GPU を選ぶ際、どの程度の電源が必要か、という情報が公開されているものもあります。 上記の見積もりをしたうえで、 GPU の仕様書も確認してみると、その確からしさを補強できると思います。

電源のサイズを決める

電源も物理的なサイズに差があります。 購入した PC ケースの仕様をよく読み、適したサイズの電源にまずは絞り込みます。 私は Fractal Design の Define 7 を購入しましたので、 ATX サイズの電源を使用することにしました。

ATX サイズの電源は品ぞろえの幅が最も広いという特徴があります。 ケースが許すのであれば ATX から選ぶことをお勧めします。

電源の SATA ポート、 PCIe ポートの数を確認する

特に電源容量の小さなモデルでは、使用可能な SATA や PCIe の電源ポート数が少なく設定されているため、自分の使いたい機器がすべて接続できるか確認しましょう。

プラグイン対応か否か

安い電源の場合、電源から各種ケーブルが直接はえているものが多いです。 こういった形状の場合、不要なケーブルが PC ケース内で邪魔になるという問題が起きます。 ケース内をすっきりさせたいならプラグイン対応のものをえらぶと良いと思います。

逆にプラグイン対応の電源の場合、差込口の接触が悪くなりがちです。 どちらにも一長一短ありますので、好きなほうを選べばよいとおもいます。

80PLUS 認証の確認

ここまで絞り込んでくると、それなりに商品数を絞り込むことができると思います。 あとは電源の性能を表す認証と価格のバランスを見て、実際に使用する製品を決めればよいと思います。 認証については、大体の場合製品の価格と比例して決まります。 予算と相談しながら決めてしまって問題ないと思います。

なお私はいつも 80Plus Gold の認証を得ているものから選択しています。 80Plus Silver 以下のモデルは確かに安いのですが、数がそれほど多くありません。 逆に 80Plus Platinum 以上のモデルになると、価格が急上昇してしまい、コスパの悪さが目立ちます。 最近の電源の多くが 80Plus Gold を取得していることからも、このあたりがメインストリームとして見られていると思います。

選択肢

私の今回の用途にあう電源として、いくつかよさそうなものを見繕いました。



電源に関しては、あまり冒険したくない思いがありました。 過去に使ったことがあって、各種レビューでの評判も悪くない有名どころを使うつもりで、上記 2 つを対象に考えていました。 そして PC ショップに行ったら、偶然 RM750x が特価で出ていたので、そちらを採用することにしました。

全体のまとめ

ここまで長々と、今回の PC を構築するにあたって、どうやってパーツを選んでいったのか、といったあたりを書いてきました。 最終的に私の構築した PC はこんな構成になりました。

項目 構成
CPU AMD Ryzen 9 5900X
メモリ Corsair Vengeance DDR4 3200MHz 32GB × 2枚
記憶装置(メイン) Samsung 980 PRO 1TB PCIe Gen 4.0
記憶装置(データ領域1) Seagate FireCuda 510 1TB PCIe Gen 3.0
記憶装置(データ領域2) ※ CFD 販売 SATA 2.5インチ SSD 900GB
記憶装置(データ領域3) ※ Crucial CT500MX200 SATA 2.5インチ SSD 500GB
記憶装置(データ領域4) ※ 東芝 MD04ACA200 SATA 3.5インチ HDD 2TB
マザーボード MSI B550 TOMAHAWK
グラフィックボード ASUS DUAL-RTX3070-O8G
CPUクーラー Nocture NH-D15
電源 Corsair RM750x
DVDドライブ ※ LG 製(型番不明)
ケース Fractal Design Define 7

※:前マシンから流用したもの

ここ最近の残業代を突っ込んだ結果、相当に満足いく構成で組み上げることができたと思います。 これからたくさん使いこんでいきたいと思います。

また後日、ベンチマーク結果についても書いていこうと思います。 パーツ選定の話は今回で終了です。