ツナ缶雑記

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Core 第12世代の PC 構成を考える(DDR4 vs DDR5)

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Core 第 12 世代 CPU を用いた PC を作るシリーズの第 2 回は、マザーボード選定にあたって必要なメモリの規格について考えてみます。 前回の記事はこちらからどうぞ。

tsuna-can.hateblo.jp

DDR4 vs DDR5

Core 第 12 世代となって、ついに DDR5 という高速なメモリ規格がサポートされるようになりました。 Core 第 12 世代 CPU は DDR4 と DDR5 、どちらにも対応していますが、これらは互換性がありません。 マザーボードは DDR4 と DDR5 、どちらか一方のみをサポートするので、マザーボード選定にあたってまずメモリの規格を選定しなければなりません。

私は DDR4 を選定することにしました。 理由とか考察を書いていきます。

速度差はあるのか

各種メディアで DDR4 と DDR5 の違いがレポートされています。 それらの記事を参照すると、現時点で DDR4 と DDR5 で、各種ベンチマークのスコアに大きな差はない、ということがわかっています。 DDR5 はリリース間もない製品です。 そのため、全般的に見てクロックが抑え気味になっているように思います。 またメモリコントローラーの動作も Gear2 または Gear4 となるため、速度の足を引っ張っているようです。

それに対して DDR4 は、すでにリリースから 7 年ほど経過しており、動作速度も大きく上がってきています。 将来的に見れば DDR5 へと置き換わっていくでしょうが、現時点ではそれほど大きな性能差があるとは言えません。

このような現象は、 DDR3 から DDR4 への過渡期でも起きていました。 最初に DDR4 をサポートした Core シリーズは第 6 世代でした。 例えば Core i7 6700K だと、メモリのサポート状況は以下のようになっています。

DDR4-1866/2133, DDR3L-1333/1600 @ 1.35V

今だと DDR4 3200 が普通になりましたし、 OC メモリだと 5000 オーバーで動くものもあったりします。 今では考えられないくらい DDR4 メモリの動作クロックは抑えられた状態で登場していたのです。

これを今の DDR5 に置き換えて考えてみると、現在販売されている DDR5 メモリは、そんなにツヨツヨではないことが想像できます。 DDR5 の真の力は引き出されていないと思うのです。

将来性を買う必要があるか

メモリの高速化は、 PC の動作速度の向上に一定程度役立ちますが、速度差を体感できるかは微妙なところです。 また前述のとおり、現時点で真の力が引き出されていない DDR5 メモリを、今すぐ使うことに価値があるか、考えてみてもよさそうです。 DDR5 メモリの動作速度は将来的に上がるでしょうが、ツヨツヨとは言えないメモリを今慌てて導入する必要性は薄いように思います。

入手性

世界的な半導体不足のあおりを受ける形で、 DDR5 メモリも市中在庫が相当に少ない状況が続いています。 メーカーや細かな仕様にこだわらなければ、専門店でたまに購入できるような状況にはなってきましたが、お世辞にも在庫豊富とは言えません。 マザーボードとの抱き合わせ販売をしている店舗も多くあるようです。

価格

価格差も相当あると言えます。 DDR5 メモリ( 16GB × 2 枚)の場合、安くても 4 万円中盤くらいの価格設定がされています。 5 万円を超えるのも当たり前、という状況です。


それに対して DDR4 メモリは、同じく 16GB × 2 枚の構成で、 1 万円前半です。 自作 PC にコスパを求めるのはあまり良くないと思いますが、私にとってこの差はあまりにも大きすぎます。


まとめ

総合的に判断すると、現時点で DDR5 メモリを購入する意味はほとんどないと考えます。 入手性が悪く、価格が高いわりに、それほど性能があがるわけでもありません。 今のところは「ロマン枠」を出ないと言っても良いと思います。

というわけで、今回はマザーボードの選定にあたって必要なメモリの選定を行いました。 次回は PC ケースの選定を行い、マザーボード選定の基礎データを固めていこうと思います。