ツナ缶雑記

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Core 第12世代の PC 構成を考える(PCケース編 その1)

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Core 第 12 世代 CPU を用いた PC を作るシリーズの第 3 回は、マザーボード選定にあたって必要な PC ケースの選択について考えてみます。 前回の記事はこちらからどうぞ。

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なぜ PC ケースを先に決めるのか

PC ケースには様々な大きさのものがあります。 また USB のポートや電源サイズなど、パーツ選定の制約になってしまうような要素もいくつか存在します。 小さなケースほど制約が強く、選べるパーツの範囲が狭まります。 作業スペースも小さくなるため、組み立てがめんどくさくなります。

またPC ケースは PC の見た目を決定づける超重要なパーツであると個人的に思います。 自分の趣味を炸裂させるべきパーツです。 それと同時に、 PC の使い勝手にも関わるパーツです。 PC の置き場所や、使用する周辺機器など、状況や優先度によって選ぶべきケースは変わってきます。

今回は私のデスクまわりの環境を例にして、どのような手順でケースを選定していったか書いてみようと思います。 ちなみに私はあまり見た目にこだわりなく、使い勝手を重視しています。 ピカピカ光らせる趣味もありません。

大まかなサイズを決める

今回は Core i7 12700K を使うことにしました。 Core i7 12700K はそこそこ熱を発生させる CPU です。 あまりにも小さなケースでは、熱がこもってうまく CPU を冷却できない可能性があります。 そのため、ミドルタワークラスの PC ケースから選定することにしました。

私のデスク環境では、 PC を配置できる場所の大きさに制限があります。 デスク下に PC を配置するためのスペースがあり、奥行 520mm 、幅 240mm 、高さ 480mm が限界サイズです。 限界サイズのケースを配置すると、上面からの吸気はほぼ見込めず、前面から背面方向へのエアフローしか確保できない状態になります。

現状そのスペースには Fractal Design の Define 7 を置いています。 しかし、このケースは奥行きが 547mm もあるため、ケース前面がデスク手前に 5cm くらいはみ出てしまっています。 また限界まで奥に配置しているため、背面のスペースもかなり狭くなっています。


Define 7 は静音性に優れる非常に優秀なケースだと思うのですが、本音ではもう少し小さいサイズしたいと思っていました。 ただ、幅の小さいケースを選定してしまうと、 CPU クーラーの選択肢が広がりません。 幅は限界サイズまであっても邪魔にならないので、収納場所に収まる範囲で幅広なものを選ぼうと思います。

DVD ドライブの有無

これまで私は DVD ドライブを内蔵できるケースをなんとなく選択してきました。 自分の感覚では結構頻繁に使っていて、まだまだ使うケースが多いと思い込んでつけていたのです。 ところが、近年発売されている PC ケースの多くは、 DVD ドライブを内蔵できません。 内蔵できるとしても、 Define 7 のような大きなサイズのものがほとんどです。 本当に DVD ドライブを使う機会が多いのか、昨年 1 年間自分を観察してみました。 そうすると、年に数回程度しか使っていないことがわかりました。 そのような利用頻度であれば、 DVD ドライブを内蔵する必要はなさそうです。 手元に外付け DVD ドライブを置いておけば十分代替できます。 そんなこんなで、初めて DVD ドライブ非搭載の PC ケースを選択肢に加えて、排熱と省スペース性の両立できそうなものから選ぶこととしました。

USB ポートの種類と数

PC ケースには通常 USB ポートやイヤホンジャックなど、マザーボードと接続することで使えるようになるポートがついています。 今回は仕様に差が出やすい USB ポートの種類と数に着目して選定してみます。

現状 USB は、転送速度やコネクターの形状などによって、様々な種類があります。 現在 PC ケースによく利用されているものに限って、ざっくり整理してみるとこんな感じです。

USB 2.0 USB 3.2 Gen 1 USB 3.2 Gen 2 USB 3.2 Gen 2x2
転送速度 480Mbps 5Gbps 10Gbps 20Gbps
別名(旧称) USB 3.0、USB 3.1 Gen 1 USB 3.1 Gen 2
PC ケースの主なコネクター形状 Type-A Type-A / Type-C Type-A / Type-C Type-C のみ

現時点で最も転送速度が速いのは USB 3.2 Gen 2x2 です。 このコネクターを利用するかどうかで、選定する PC ケースの幅は相当変わってきてしまいます。

私の用途の範囲で、 USB 3.2 Gen 2x2 のコネクターを使いたいと思うケースは、高速な外付けハードディスクを使う場合に限られます。 そして現時点でそのような機器を保持していないので、今すぐ必要とは言えません。 将来性をどこまで見越すのかや、いつまで同じ PC ケースを使いまわすのかによって、検討したほうがよさそうです。

私の場合、 PC ケースを変えず、中身だけ取り換えるような使い方を過去良くしてきました。 その方が低コストで PC をスペックアップできます。 見た目に対するこだわりがそれほどない私にとって、 PC ケースは使いまわすパーツの筆頭です。 そうなると、同じ PC ケースを長期間使い続けることになります*1。 そういう使い方をするのであれば、 PC ケース側の仕様をできる限り最新化しておく方が、長く使い続けるのに役立ちます。

USB ポートの数は接続したい機器の数にあわせて考えるべきです。 私の場合、 PC ケースの USB ポートを使うのは、外付けの DVD ドライブやハードディスク、ゲームパットくらいです。 前述のとおり、 Type-C ポートを使うのは外付けハードディスクくらいで、他はほとんど転送速度を気にするような機器を接続しません。 またマウスやキーボードなどの機器は、マザーボードのリアパネルに付属するポートを使うため、 PC ケース側のポート数はそれほど必要ありません。 現時点でも、同時に 2 つ以上の機器を接続して使うケースはほとんどありません。

自分自身の使い方や、将来性をふまえて、私は USB 3.1 Gen 2x2 の Type-C ポートが 1 つ、 USB 3.2 Gen 1 または Gen 2 の Type-A ポートが 2 つあるものから選定することにしました。 できれば USB 2.0 のポートが別にあればうれしいですが、そもそも接続する機器の数が少ないので必須ではない、という位置づけにしています。

スマホをつなぎたいとか、人によって USB ポートの使い方は様々だと思いますので、同時に使う数がどのくらいあるかで判断するのが良いと思います。

3.5 インチ HDD や 2.5 インチ SSD の有無

最近の PC は、 3.5 インチ HDD や 2.5 インチ SSD を接続する必要性がだいぶ薄くなってきています。 動画などの大容量ファイルを大量に保存するのでなければ、 M.2 SSD だけを使って、現実的なコストで PC を組み立てることができてしまいます。 私もローカルに大量のファイルを置くことはありません。 唯一の大容量ファイルは、仮想マシンのイメージだけです。 それも最大 500GB 程度なので記憶装置の数は控えめで問題ありません。

しかし、手元に過去のマシンから移植し続けている 2.5 インチ SSD が 2 つ( 1TB / 500GB )あります。 これをいきなり廃棄するのは勇気の必要な決断です。 また 3.5 インチ HDD もあるにはあるのですが、現時点では使っておらず、今後も利用する可能性は限りなく低いと思われます。 よって HDD や 2.5 インチ SSD の配置場所は、 2 つあれば十分です。 どちらの SSD も古くなってきているため、 2TB クラスの SSD に換装して 1 台に集約することも視野に入れています。

PC ケースを絞り込む

これらの条件にあうような PC ケースを探してみると、めちゃくちゃ数が少ないことがわかります。 そもそも USB 3.2 Gen 2x2 をサポートしている PC ケースが圧倒的に少ないのです。 価格.comGoogle 検索を駆使して、手広く探してみました。 また数があまりにも少ないので、 USB Type-C を Gen 2x2 ではなく Gen 2 まで広げたうえで、価格控えめなものに絞って探してみると、以下のようなものが見つかりました。





まとめ

今回はどういった観点で PC ケースを選べばよいか、また選ぶ手順をまとめてみました。 次回はこれらの PC ケースから、さらに絞り込んでいくためにどんなことを考えたか、私の経験を解説しようと思います。

*1:ちなみに以前使っていた PC ケースは、 15 年くらい使っていました。ほとんどの USB ポートが劣化して使えなくなり、電源ボタンも反応が悪くなり、いい加減捨てよう、となった記憶があります。