ツナ缶雑記

ぐうたらSEのブログです。主にマイクロソフト系技術を中心に扱います。

PCをRyzen 9 5900Xで組んだ話(X570 or B550 or A520の選択編)

f:id:masatsuna:20210127011651p:plain

本シリーズのまとめはこちらにあります。

tsuna-can.hateblo.jp

前回まででCPUとPCケース、グラフィックボードを選ぶところまで書きました。 今回からはマザーボードをどのようにして選んだかを書いていこうと思います。 マザーボードは本当にいろいろなことを考えて決めたので、何回かに分けて書こうかなーと思います。 手始めに、チップセットの選択のあたりから書いていきます。

前回の記事はこちらからどうぞ。

tsuna-can.hateblo.jp

チップセットを選ぶ

マザーボードを選ぶにあたって、最初に決めなければならないのはチップセットです。 通常CPUを選ぶと、対応したチップセットというのが決まってくるので、その中からどれを選択するか、ということになります。

Ryzen 5000番台で使えるチップセットは、現状X570、B550、A520の3種類があります。 ざっくりいうとX570がハイエンド、B550がミドルクラス、A520がローエンドです。 何が違うかというと、X570は拡張性に優れていて、PCIeの実装数が多くなっています。 なので、PCIeの拡張カードをたくさん使う人はX570を選択することになると思います。 またX570は、PCIe 4.0に対応したスロットが多いという特徴もあります。 PCIe 4.0の機器をたくさん接続したい場合もX570を選択することになると思います。

A520はPCIe 4.0に対応していません。 なのでPCIe 4.0を使いたいなら除外することになります。 B550はそのちょうど中間に位置していて、拡張性はそこまで高くないけど、一般用途ならPCIe 4.0も必要十分な量がある、というものです。 X570と比較するとPCIe 4.0で接続できる機器の数が少なくなっています。

私の場合、グラフィックボードにPCIe 4.0接続が可能なものを選定したので、A520を選択する理由は価格以外にほぼない感じでした。 6年ぶりにPCを新しくすることもあって、無駄にケチらずX570かB550を選択することにしました。

X570 vs B550

結論から言うと、私はB550を選択しました。 B550を選択した理由はいくつかあります。

チップセットの冷却ファンの有無

X570チップセットは、チップセット自体の発熱が大きいようで、マザーボードチップセットを冷却するためのファンが搭載されたモデルが多数ありました。 最近はファンレスタイプのものも出てきているようですが、圧倒的に数は少ないです。 このファンなんですが、径が小さく、回るとそれなりに騒音を発生させるようです。 またメカ部分の存在は壊れやすさにもつながります。 長く使いたいというニーズに対して、B550のファンレス仕様が非常にうれしく感じました。

m.2スロットに何をどれだけつなぐか

X570のマザーボードの場合、PCIe 4.0に対応したm.2スロットが2本ついているものが多いです それに対してB550の物は、PCIe 4.0対応は1つしかなく、m.2スロットが複数ある場合は、その1つを除いてPCIe 3.0での接続になります。 すなわち、PCIe 4.0に対応したm.2を何本使うかによって、どちらを選択するかが決まってしまいます。

現状のPCIe 4.0対応のm.2 SSDは、かなりお高いです。 もちろん安いものもあるにはありますが、そういった製品は性能面でPCIe 3.0のものと大差ないレベルであり、わざわざPCIe 4.0対応品を購入する理由が乏しいと思います。

こんなこともあって、私はPCIe 4.0対応のSSDを複数導入する考えはありませんでした。 システムドライブにはPCIe 4.0を持ってくるつもりでしたが、データドライブはそこまで早くなくてよいかなと。 X570は私にとってオーバースペックであるように思いました。

設計の新しさ

実はX570チップセットは、B550チップセットの約1年前にリリースされています。 そのため、それらのチップセットを搭載したマザーボードも、同様に1年ほどリリース時期に差があります。 1年の違いは、マザーボードの設計の新しさと、品質の向上につながったと言われています。

価格

X570はハイエンド、B550はミドルクラス、ということを書きましたが、それはそのまま価格にも反映されています。 X570を搭載するマザーボードのほうが、ざっくり5,000円~10,000円くらいお高くなっています。 マザーボードによる性能差はほとんどないと言われています。 すなわち、この価格差は拡張性や、PCIeのバージョンの差など、性能とは異なるところにあらわれます。 すなわち、この差を5,000円~10,000円余計に出して買うのかどうか、ということになります。

電源周りや冷却機構などは、実はX570とB550でそれほど大きな違いはないようです。 どちらのチップセットも、様々なグレードのマザーボードがリリースされています。 電源周りだけ強化したいのであれば、無理にX570を選ばずとも、B550の上位モデルを選べばよいと思います。

今回はこの辺まで。 次回は数々のB550搭載マザーボードから、どうやって製品選定を行ったのか、書こうと思います。