ツナ缶雑記

ぐうたらSEのブログです。主にマイクロソフト系技術を中心に扱います。

Windows 10 Enterprise LTSC のサポート期間が 5 年になる

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Windows 10 Enterprise LTSC のサポート期間が10年から5年に短縮されるという話が出ています。 Windows as a Service という概念が出て、Windows 10 から大幅にサポートライフサイクルの考え方が変わりました。 そんな中、 Windows 10 Entperprise LTSCは、唯一残っていたクラシックなサポートの方式でしたね。 それもついに終わりを迎えるということで、非常に感慨深いです。

blogs.windows.com

実態とは。。。

記事内には以下のような記載があります。

お客様をサポートする中で、LTSC バージョンをインストールしているインフォメーション ワーカー用のデスクトップは、10 年ものライフサイクルは必要ないことがわかりました。テクノロジの変化が激しい現在、10 年も前の製品に最新のエクスペリエンスを期待するのは現実的ではありません。

Windows 10 のサポートライフサイクル短期化によって、 LTSC を希望するお客様の話を結構聞いた記憶があります。 時は流れて、ようやく Windows 10 の更新スピードに、みんなついてこれるようになった、ということなのでしょうか。 実態はよくわかりませんが、日本の環境にもこの話がそのまま当てはまるのか、興味がわくポイントです。

ライフサイクルの短期化

製品ライフサイクルの短期化によって、多分ベンダー側の負担していた保守コストは大幅に減るものと思います。 複数のバージョンを並行して保守していくこと、しかもすごく古いものを保守し続けるのは、手間ばかりかかって全然見合わないのだろうという想像はつきます。 企業努力では片づけられないだろう現場の苦労も想像できてしまいます。 みんなで新しいものを一緒に使おうぜ、という思想は、マクロな視点では生産性を向上させるのだろうと思います。

自分たちの現場を短期化という目線で見たとき、果たしてそんなことができているのか/今後できるのか、漫然とした不安を覚えてしまったのもまた事実です。 いまだに大規模な開発プロジェクトなら年単位で作業することもあります。 .NET 6 とかも LTS 版が 3 年サポートとか言われていて、大規模な開発プロジェクトってどうしてあげればいいのか。。。 ずっと .NET Framework を使い続けるわけにもいかないし。 OSもミドルウェアもどんどん開発・リリースのスピードが上がっているのに、アプリケーションがそれに追従できないというジレンマを感じる方って多いのではないでしょうか。

これからのシステム開発

これからの IT 業界(特にシステムインテグレーションの業界)は、本気でこの問題に取り組んでいかないとまずいことになるだろうと思います。 業界構造や契約のしがらみ、システムの肥大化など、とにかくいろいろなものがスピードを阻害しているんですよね。 それによって前にも後ろにも進めなくなってしまうシステムがどんどん出てくるだろうと思います。

体力のある会社なら、一気にヒト・モノ・カネを投入して、力業で何とかする、ということも可能かもしれません。 しかし、そうではない会社も多くあると思うのです。 そういう会社こそ、今後どうしていくのか、知恵を絞って乗り越えなくてはならないんですが、そうもいかない現実ってありますよね。

まとめでもないまとめ

ただただ現実を憂うだけのポストになってしまいました。 Windows 10 Enterprise LTSC のサポート期間短縮を受けて、特に日本のシステムインテグレーション業界における現状が、本当に怖いなーと思った話でした。